山に登ろうとした

ここ2日ほど調子が悪くて、布団に寝るばかりになっている。
感じとしてはトンネルみたいに出口が見えるようなものではなくて、四肢の先に重りをつけて、水中をどんどん沈んでいくような感覚だ。沈んでいく不安はあるけど、なんでか息を止めていても平気だし、周りの水の温かさが心地よい気すらしてくる。ただ、本や映画が、浮き上がって手から離れていってしまうのが寂しい。

 

人と話すことは楽しいし気晴らしになるが、話すときに一方的になってしまいよくない。言葉数の多さが、話の解像度をあげるわけではない。間を取り持つ言葉はぷかぷか浮かんでいずれ自分に矢のように降りかかってくる。話した言葉の大きさが、背中にずっしり重くなってのしかかる。

 

先週ふと山に登ろうと思いたち、電車でほど近い山へ登ろうとした。
一歩一歩身体は上に登っているはずなのに気が重くなっている。自分の口にした言葉や不安がどんどん降り積もってきて、気がついたら沈んでいた。その時と同じだ。ただ家の暖房の分温かいそれだけだと思う。

 

早く山と海をみたい。