畳み掛ける
扉を開けては次の扉を目指して走り…開けた扉は決して閉めることをせず、そこからだくだくと水が流れて足元に溜まり、気づかないうちに身動きがとれなくなっている。それでも目の前の扉を開けずにはいられない。そんな毎日。
水が引くの待っていると、大事にしていたものも一緒に流されてしまいそうだ。動悸はとまらない。開けては開けては、どんどん開けていかないととあせる。水が必要だ。ここちよい温度の水が。
水はドアの外側からやってくる。夏が近いから温かい水や清流のように厳しい冷たさの水もある。みんな混ざる。水の温度にはいつのまにか慣れている。その水圧に押しつぶされそうになる。
冷たさは目を覚ましてくれる。あたたかさは安心感を与えてくれる。生ぬるい水は気持ち悪さを感じることもある。
そうやって毎日は絶えず出来上がっては流されていくのだ。