布団と海と

 

 今日は気圧の影響か身体が重く、午前中は外の雨音を聴いて過ごした。雨の日に落ち着いて過ごすことがとても久しぶりなことのように感じる。こんな日は随筆など比較的短く読みやすいものを読もうと思い、小沼丹『ちいさな手袋/珈琲挽き』を手に取り数篇読む。

 

 昼にじいちゃんにもらった助六寿司を食べると、少し身体が持ち直した気がしたのでメルヴィルの『白鯨』に取り掛かることにした。この小説を読むに至った経緯は単純で、まとまった時間のある今読んでおかないとこの先読む機会を失ってしまいそうだったからだ。2段組の本を読むのは初めてで、小学生の時に初めて『ハリーポッター』シリーズを手に取った時のようなワクワク感がある。第六章まで読む。

 

 語り手イシュメイルはこの世に興味を失い、大海原へ出ることを決意する。このイシュメイルの行動のスケールの大きさに驚いた。ある日ふと世の中が退屈になった時に行く場所といったら、僕の場合間違いなく"布団"だとおもう。

ホッファーも季節労働者として鳥のように移動して生活していた時季があり、このような生き方もあるんだなと思った。自分の世界を布団から広げていくにはどうしたらよいのか考える必要があると布団で考えた。

 

 そして大海原へ出るために海沿いの街へ繰り出すのだが、あいにく宿屋はどこもいっぱいで、食人族の銛打師と寝床を共にすることになってしまう。いきなり食人族と一緒になるなんて、旅のスタートとしては迫力満点。続きも楽しく読み進められそうです。

 

今日はここまで